コアコミックス発行の漫画『夜分に吸血失礼します。』。日常から一転、さらなる困難がふりかかる１８話を、ネタバレありでご紹介します。
前話で、山寺くんは、メイと取引して呪いをかけられてしまいました。はたして、このことを知らない小夜さんに、黙ったままでいるのでしょうか？
「夜分に吸血失礼します。」１８話のあらすじと感想、見どころのご紹介です！
【夜分に吸血失礼します。】１８話あらすじ
前話までの事件がひと段落して、吸血鬼のサラリーマン「小夜さん」とその後輩の「山寺くん」は、会社勤めの日常にもどっています。
しかし、小夜さんの心は晴れやかではありません。なぜなら、吸血鬼の同族争いの終幕に、小夜さんは立ち会わなかったからです。
知らないうちに問題が解決してしまっていると、拍子抜けするどころか、追いてかれた気がしてモヤモヤしてしまいますよね。
そんなある時、ふたりで郊外へ出張に行くことになります。さらに、取引先の手はずで、温泉つきの旅館に泊まることになるのです。
ふたりの間にある秘密は、隠されたままになるのでしょうか？
思い悩む小夜さんに対して山寺くんは？
ずっと陰気な小夜さんとは対照的に、山寺くんは上機嫌です。「考えてもどうしようもないなら、今を楽しんだ方がいい」と、いつにも増してポジティブな発言を投げかけます。
違和感を覚えつつも、小夜さんは、山寺くんの前向きさに緊張をほぐされ、ようやく気が楽になります。
ここで山寺くんが上機嫌なのは、吸血鬼になれる可能性をつかんだからでしょう。命の危険を度外視しているところに、相変わらずのサイコパスぶりを感じますね。
しかし、こうした「まともじゃないところ」が、小夜さんの心を救っているのです。
山寺くんは、いつも「まともじゃないこと」を楽しんでいます。裏を返せば、山寺くんのサイコな視点は、小夜さんにとって「まともじゃないこと」をポジティブにとらえるきっかけになるのです。
これまでふたりは、正反対のように描かれてきましたが、案外たがいを支え合ういいコンビなのかもしれませんね。
貸し切りの温泉でふたりは？
気持ちのほぐれた小夜さんが温泉に入っていると、そこに山寺くんがあらわれて、衝撃の発言をします。
すっ裸の山寺くんは、「血を飲んでいい」と大らかに言い放つのです。
これまで、おあずけにしたり急かしたりと、血をダシにして散々下僕扱いしていました。それだけに、突然「さあ腹いっぱい飲んでいいよ」と言われて、さすがに小夜さんも引き気味です。
しかも、小夜さんがおずおずと腕から飲もうとすると、「もっと豪快に吸ったらいい」と胸から飲むように誘います。
そうして流されるままに、お互い裸の温泉で、小夜さんは山寺くんの胸に吸いつくことになります。
見ているこちらは、山寺くんの行動に裏があることが分かっているので、見ていてヒヤヒヤしてしまいます。
それでも、これまでにないエロティックなシチュエーションに、くぎ付けです。正直、いっそ秘密を抱えたままでもいい気持になります。
こうしてエロさやサスペンスを抱えた状況ですが、笑いも忘れていません。山寺くんのやさしさにドン引きする小夜さんの姿は、下僕根性がはっきりと表れていて笑ってしまいますね。
とても楽しいシーンだけに、ふたりの間に隠されている秘密がいつ明かされるかと、ハラハラしてしまいます。
ちょっとした吸血が思わぬ展開に
山寺くんの血を吸った小夜さんは、その血と匂いから、メイの匂いがすることに気がつきます。そうして、山寺くんがメイに接触していたことを知るのです。
秘密がバレてしまった山寺くんですが、知られてしまったことを隠そうとはしません。むしろ面白がっています。
というのも、メイに呪いをかけられた際、山寺くんの胸には、バツ印を丸で囲ったような印が刻まれています。メイとの取引のしるしです。
つまり今まで、胸に刻まれた取引のしるしを、裸になって見せつけていました。
こうして山寺くんは、メイとの取引を明かし、小夜さんに「俺のためにメイを殺す」よう言い放つのです。
こうして秘密がバレても強気な山寺くんに、さすがと感じます。
ところが、こうして悪びれていないということは、小夜さんとの「命を粗末にしない」約束を、気にかけていないということです。
この山寺くんの態度を察して、小夜さんはどんな反応を示すのでしょうか。ふたりの関係が、ふたたび転換点にさしかかっているのが感じられます。
【夜分に吸血失礼します。】１８話の見どころ
１８話の見どころは、温泉で互いに裸、しかも胸からという吸血のシチュエーションです。
吸血の際、山寺くんは「胸から血を飲むという伝承もあるらしい」と言って、胸に誘導しています。
これはもちろん、刻印を見せつけて面白がっているのです。なので、都合のいい嘘のように思えますが、意外なことに山寺くんの言っていることは、本当です。
さかのぼること１９世紀以前、あくまで吸血鬼が言い伝えとして語られる中に、「心臓に近い胸から血を吸う」という伝承がありました。特に西ヨーロッパのルーマニアでは、「吸血鬼は心臓や眉間から血を吸う」と伝わっていたのです。
そして１９世紀ごろ、吸血鬼が創作上でさかんに描かれるようになりました。その頃に「首から血を吸う」というイメージが根付いたのです。
とはいえ、現代ではかんたんに脱げない服装になっていますから、胸から吸うことはなかなかできそうにないですよね。
それだけに、今回の胸から吸血するシチュエーションが、かなり貴重なことがうかがえます。エロさがずば抜けている吸血シーンは、全話のなかでも必見です！
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【夜分に吸血失礼します。】気になる続きは？
次話では、小夜さんと山寺くんの関係が、決裂の危機に立たされます。
今回、山寺くんがメイの呪いのことを明かしたことで、小夜さんは約束が破られたことを知ってしまいました。ふだん穏やかな小夜さんですが、一体どんな反応を見せるのでしょうか？
男同士のからみだけではとどまらない、サスペンスに満ちたやりとりを、試しに味わってみてはいかがでしょうか。
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